表の見方に戻る 1.総論 3種のハザードとその区別は以下の通りである。 2.各論 なお、いわゆる一般的衛生管理事項に係わるハザードの規制を明記した法令はない。一方、 管理運営指針は、名目上(食品衛生法第50条第2項)地方自治体に委ねているが、実体は国主導であるので、例外的措置としてここに含める。 また、食中毒菌は病原菌としか規定されておらず、具体的に菌を特定して規制することを記述した法令はないので、食品衛生法の告示以上の条文で言及されている菌は規制ハザードとみなした。 食品安全委員会はリスク評価機関なので、たとえ勧告をした場合でも当該ハザードは該当しない。また、リスク管理機関であっても、強制力を伴わない行政指導なども含まない。 規制とは、禁止、基準値を定めるなどの外、表示も含まれる。ただし、調査は含まない。なお、輸入規制に関しては、輸入食品監視指導計画と命令検査に含まれる項目(直近3年)は規制ハザードとみなす。 A認識ハザード 疑いの余地があるハザード: とはいえ、いたずらに多数挙げることが目的ではない。基本的には引用に足る資料で指摘されているハザードを挙げる。このために、根拠となった資料名を「資料」欄に略記するとともに、アクセスできる記述にしたページにリンクしている。 上に述べた、外国のリスク管理機関が規制しているとか、国際機関が勧告した規制措置は当然ここに含まれる。ただし、現在ではこのような例は少ない。リスク管理機関が調査を始めたとか、リスク評価機関が調査を始めた、あるいは研究機関・検査指導機関が課題にしているようなハザードも典型的な例となる。 研究論文がある場合は、信頼できると判断した場合に含める。信頼できると考えるかどうかはハザード知覚(Hazard Perception)の問題である。 法令により食品を特定して規制していると、別の食品の認識ハザードになることがある。安全なものとしてリストされている例であっても場合によっては採用することがある。リスク管理機関などが行った調査の結果、規制の必要がないと判定されたハザード でも採用することがある 。栄養成分であっても、摂取量が多すぎると健康被害が知られている場合も、他の化学物質と区別する理由がないのでも採用した。 裏付けとなる資料が見からなくても、 作成者が必要と認めた場合は含めることがある。 その際、当該ハザードが存在することを示した(ただし、危害に言及していない)資料のある場合は、上と同じように「資料」欄に略記するとともに、アクセスできる記述をしたページにリンクしている。 数多くの認識ハザードを挙げることが大切であるが、多すぎると、結局挙げないのと同じになってしまう。数を多くすることは、本表作成の目的ではない。ただし、認識ハザードを挙げる重要な目的は、重篤な危害をもたらす可能性のあるハザードを 注視できるようにすることなので、重篤な危害をもたらす可能性のあるハザードを欠落させないことが肝要である。この目的であれば、ハザードの数を制限するべきではない。 国民の中に懸念する声のあるハザード: 集団または国民が対象であって個人ではないので、投書があったとか告発本があるだけの理由では採用しない。 国民懸念というと、国会決議とか国民投票あるいは内閣府の世論調査が該当するが、そのような事例は皆無である。ある程度以上の規模の消費者団体が懸念を表明しているとか、確かなアンケート調査で浮き彫りになった懸念が、この典型的な例となる。 逆に根拠なく安全性を標榜している例がある。このような例は、確かな安全性確保の撹乱要因になっていると信ずるので、特別にここに掲載する。その場合は、他との区別が明確なように「」で囲う。 B一般ハザード メタボロミクス研究や分析技術の向上した今日であっても、食品中の全ての成分は解明されていない。ハザードでない成分・状態などと明確に識別するのが容易ではなく、一般ハザードはいわば理念上のハザードである。 ハザードと成分(状態)とを区別する確かな基準を設定することが先決になる。 ここで強調されるべき点は、未知のハザードがここに含まれることである。誰も知らなければ採用する方策がないので止むを得ないが、この事実は常に留意するべきである。ここに放置したハザードに起因する重篤な危害が発生したならば、作成者の敗北である。 |