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「危害/違反の頻度」の調べ方


  ハザード分析表においては、ハザードの特性を記述する目的で、規制ハザードの表頭に「危害/違反頻度」の欄を設け、危害の頻度と違反の頻度を記述している。二つの頻度を同じ欄に記述しているのは、欄の数をなるべく少なくするためである。実はハザード分析表の作成を開始した時は「危害の頻度」を予定していた。ところが、規制ハザードのうち危害が確認されているのは実際には非常に少ないことから、「違反の頻度」を追加した事情もある。

  危害の頻度を調べた資料は、「食中毒統計」、国民生活センターが公表している「事故情報データバンクシステム」、ECが提供している「The Rapid Alert System for Food and Feed (RASFF)」、国立医薬品食品衛生研究所が提供している「食品安全情報」である。いずれも作成年の直近の過去3年間のデータを調べている。ただし、全てのハザード分析表で4つの資料を調べたのではなく、早い時期の品目は前2つの資料である。また、後ろ二つの資料は、後述のように違反についてのデータも含まれている。ここで指摘しておくべきことは、「事故情報データバンクシステム」は国民から申告があればそのまま掲載する資料なので、その信憑性は高くない。

  危害の頻度に関し、急性毒性による危害の発生は一応把握できるけれども、上記資料によっても、慢性毒性による危害の発生はほとんど把握できていないことを指摘しておく。慢性毒性による危害は検出が困難である。上述のように危害の頻度に加えて、違反の頻度も掲載した理由でもある。

  違反の頻度を調べた資料は、厚生労働省が公表している「輸入食品等の食品衛生法違反事例」、ECが提供している「The Rapid Alert System for Food and Feed (RASFF)」、国立医薬品食品衛生研究所が提供している「食品安全情報」についての直近3年間のデータと、農林水産省、厚生労働省、食品安全委員会がウェブサイトに公表している資料である。この場合も、早い時期のハザード分析表では、全ての資料を対象にしたのではない。

(2014年4月作成)