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農業生産過程と食品加工過程の間に別の過程が必要な例


 フードチェーンアプローチでは、食品の生産から製造・流通から消費に至るまで全ての過程を対象にする。この捉え方を踏まえ、作成を開始した当初は、フードチェーンの産業段階には農業生産過程、食品加工過程、運輸保管過程、販売過程、外食過程が含まれるとみなし ていた。

  しかしながら、パンのハザード分析表を作成しているとこれでは不都合で、農業生産過程と食品加工過程(パン製造過程)の間にもう一つ別の過程が必要であることが分かった。つまり、農業とパン製造業の間には製粉業がある。これをどちらかと一緒にすることには無理がある。産業の実態からみても、製粉業は農業やパン製造業とは独立している。そこでパンのハザード分析表では、食品加工過程が2過程あることとし、パン製造過程の前に製粉過程をおいた。ハザード分析表ではなるべく単純なフードチェーンを想定するが、これを無視することはできない。

  一方、豚肉のハザード分析表でも、事情が異なるものの同じような条件にある。畜産農家(畜産業生産過程)と精肉店(販売過程)の間には、と畜業者がいて、と畜場において豚を処理して部分肉(枝肉)にしている。これも畜産農家か精肉店に振り分けるには無理がある。こちらの場合は、畜産業生産過程から独立させて新しい層を設け、と畜過程をおいた。

 上の2例以外には、ご飯の精米過程があった。

(2013年12月作成)