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食品加工事業者は低減回避措置を講じている


 ハザード分析表では、各過程で発生するハザードは、これに続く過程に移行すると推定している。この推定は常識的である。

  ではハザードはフードチェーンの後ろの過程に進むにしたがって、蓄積していくのだろうか。事はそれほど単純ではない。主として食品加工事業者が原料に含まれるハザードを低減・回避する措置を講じているのである。これに気付いたのは、パンのハザード分析表を作成していた時で、製粉工場が原料小麦に含まれるハザードの低減回避措置を講じていることを知った。すなわち製粉関係の専門書を見ていると、原料小麦に含まれるかもしれない化学物質をチェックし、異物などを除去するのは当然のこととして記述している。そして製品として出荷するときには、法令に違反するハザードはない状態にしている。

  同じことは、ご飯(内食)、牛乳・乳製品、ハムにおいても実施されている。低減回避措置を講じているのは、パンでは主に製粉業者で、ご飯では精米業者であるが、牛乳・乳製品は乳業メーカーが、ハムでは食肉メーカーである。前の2食品では素材型と呼ばれる食品加工事業者であり、後ろの2食品では加工型と呼ばれる食品加工事業者である。これは各業種の実情を反映したものと推量している。念のためながら、食品加工事業者は工場形態で事業展開していることを指摘しておく。

  フードチェーンのどの過程でも、前の過程のハザードの低減回避措置を講じているかといえば、そうでもない。販売事業者が加工食品を扱う時は、メーカーが指示した注意事項を遵守するだけである。運搬保管過程の事業者も同じである。

(2013年12月作成)