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食品添加物は生鮮食品や調理にも使用されることがある



  食品添加物は、一般の人には食品加工過程すなわち食品工場で使用されていると理解されている。ところが実はそうではない。これに気付いたのは、ご飯のハザード分析表を作成している時であった。ご飯のフードチェーンには精米過程があるけれども、ここでは「精米改良剤」と呼ばれる食品添加物が使用されている。そして、中食ご飯の炊飯過程では「炊飯添加剤」が使用されている 。

  精米工場では玄米を搗精して白米と糠に分けるだけではなく、製品である白米の商品価値を上げるために、プロピレングリコールなどを使用しているのである。この事実が わかれば、これは精米だけに限ったことではなく、農産物がそのまま商品になる生鮮食品でも、食品添加物が使用されることがあると推量できる。食品添加物が生鮮食品を商品化する過程で使用されている例を記述した資料 はまだ見つけることができないけれども、可能性は高いと信じられる。

  工場での炊飯過程では、家庭で炊飯するように白米と水だけでなく、しばしば焙煎油や乳化剤を使用している。主な目的は安価な米とか古米でおいしいご飯に仕上げるためである。この問題も、米業界だけではないと断言できる。 ご飯は料理といえるが、普通の料理のハザード分析表の作成は困難と見込まれるために、ご飯以外の品目では作成できていないが、作成することになれば改めてこの課題に取り組むことになる。

  近年では企業展開型の外食産業や中食産業では工場で調理されているので、食品添加物が使用されているはずである。個人経営の食堂や総菜屋でも使用されていることが想像される。調理における食品添加物使用 の件が難かしいのは、調理では隠し味とか副素材と理解されている調味料などの一部が同時に食品添加物である点にある。

  言いたいことは、食品添加物は規制当局による厳しい監視下にある一方で、規制当局が想定していないために案外看過している使用例が少なくないと信じられる。このような事情を踏まえ、ハムや豚肉のハザード分析表の作成からは、認識ハザードとして「想定外使用の食品添加物」を挙げることにした。 

(2014年1月作成)