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　食べ物の祭りは、極めて多様である。しばしば売らんかなの安売り市を祭りと呼んでいる。学校の行事で実施する例も少なくない。ここで取り上げようとする食べ物の祭りとは、地域に根ざし地域ぐるみで行っている行事と 全国規模で行っている行事である。表に示した祭りがそれに相応しいか判断するのが難しい例も多いが、日本各地にはたくさんの食べ物の祭りがあることが判った。 特徴的と思うのは、魚介類に係わる祭りが盛んなことである。

　祭りは楽しくなくてはならない。しかし、食べ物の祭りには、生産者が近在の消費者に地元産品を味わって貰うという面を持っている。消費者には良い食材が安く手に入る期待がある。生産者がこれに応えるためには旬の時期に開催するのが合理的であろう。土地で収穫したものが販売されるという期待に応えるためには、見栄えは多少落ちるが品質は良いといったものでありたい。もし、市場で買ってきたりいわんや輸入品を出すようなら、信義にもとるし自殺行為である。

　食べ物の祭りでは、地元の消費者への感謝を表すとともに、食材に対する感謝が伝わるような企画もあって欲しい。食材は全て元を糺せば生き物なのだから。祭りはそのような場とするのに相応しい。