はじめに


 世界の食料資源問題が話題になると、食料生産の現状が議論される。そして、農業生産を取り巻く課題が指摘される。これはもちろん必要であるが、同時に、食料供給の現状も議論されるべきである。ところが、食料供給については途上国の飢餓に瀕した実情が紹介されるばかりで、全体としてどうなっているのか紹介されることがない。

 そこで、世界全体の一人当たりの食料供給量の現状と現在までの30年間の変化を紹介する。ここにデータは2000年と少し古いことをご了承いただく。資料はFAOの食料需給表によっている。世界全体の一人当たりの食料供給量とは、世界各国の一人当たりの食料供給量を人口を加味して平均した値である。したがって、この数字は人口の多い中国、インドの影響が強く表れている。

 なお、「世界全体」と「一人当たりの食料供給量」は用語が堅くかつ長いので、「世界」および「食料供給量」と呼び換える。