日本との比較 FAOが公表している資料によれば、世界における食料供給量は下記の表の通りである。この数字を見て概要が把握できる方は少数と思われるので、日本と比較しながら考える(グラフ)。 まず指摘したいのは、穀類の供給量が日本より世界の方が多いことである。なんと約 35%も多いのである。157.2kg/人年という値は、主要食料である穀類に関する限り、平均的にみると充分かそれ以上に供給されていることを意味する。いも類、果実も世界の方が多い。いも類は 1.86倍と、2倍に近い。野菜は日本の方が多いが、大差ではない。つまり、代表的な炭水化物食品は、日本と同程度以上に供給されていることになる。一方、タンパク質食品をみると、牛乳乳製品は世界の方が多い。これ以外の肉類、魚介類、鶏卵、油糧種子は、日本の方が多い。ただし、魚介類、鶏卵が顕著な差があるのに対し、肉類はあまり差がない。世界でみると、タンパク質食品の供給はまだ日本のレベルに達していないことが分かるが、価格が高いはずの肉類の供給量が相対的に多い問題が指摘できる。他国の食事にとやかく言うのは適切でないが、タンパク質食品の供給が不十分なのは経済事情に大きく影響されていることを考えれば、望ましい状況ではない。 油脂をみると、動物油脂は世界が多く、植物油脂は日本の方が多い。世界では肉類の供給が多いことに符合している。
以上の比較から分かることは、炭水化物食品の供給は平均的にみると既に好ましい状態に到達している。タンパク質食品の供給量も、日本のレベルには到達していないが、現在はタンパク質の摂取推奨量が引き下げられており、必ずしも少なすぎるとはいえないレベルと推定できる。人口は途上国が多いことを勘案すると、先進国だけでなく中進国も充分な食料が供給されていることを示している。
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