中国の食料消費パターン


現在の特徴
 現在の中国における各食品群の消費量を下記に示した。日本と比べると(グラフ)、中国は穀類、野菜、いも類の消費量が多い。一方、肉類を除くタンパク質食品すなわち牛乳乳製品、魚介類、鶏卵が少ない。また、砂糖類や酒類も少ない。肉類を除くと、一人当たりの
GDPが低いことを反映している。栄養摂取量を調べてみると、摂取カロリーは日本より多く、脂肪もほとんど差がなかった。ここで指摘しておきたいことに嗜好飲料がある。嗜好飲料は日本の方がかなり多いので調べてみると、中国はコーヒーだけでなくお茶の消費量も日本より少なかった。 中国と韓国とを比べると、韓国の方が野菜が多く、鶏卵は中国の方が多いことを除くと、中国と日本との相違に似ている。

 世界各国と比べると、海草類が韓国に次いで2位であり、野菜が7位であることが目立つ程度で、穀類も多いが19位と特に多いわけではない。

 世界の食料消費パターンを主成分分析して第2主成分スコアまでを図示すると(参照資料の第1図)、中国は第一主成分(豊かさの因子)がゼロ付近に位置する。第二主成分(穀物離れの因子)はマイナスが大きく、いも類(特にさつまいも)が多いというイメージと異なる結果であった。

 中国の食料消費パターンといちばん近いのは韓国である。ただし、近いといっても距離がかなりあり、中国はどの国とも遠い。以下、エジプト、チュニジア、モロッコ、イランと中近東の国々が続く。これらの国は穀物消費量が多い国々である。なお、1970年にはいちばん近いのはインドネシアであったが、現在はかなり離れた。クラスター分析してデンドログラムを作成すると(参照資料の第3図)、アジア中南米群の中に分類されるが、韓国と対を形成して、中近東小群に含まれる。近隣のこの両国は、日本が含まれる中南米小群とかなり離れる。

30年間の変化
 野菜、肉類、魚介類、鶏卵など多くの食品群の消費量が顕著に増加した。特に肉類と動物油脂は加速度的な増加を示した。減少したのはいも類と豆類くらいで、中国の食料事情が劇的に改善されたされたことを示している。因みに、この
30年で中国は食料消費パターンを世界で6番目に大きく変化させた国である。

 中国の食料消費パターンが変化した方向にいちばん近いのは韓国で、以下レバノン、ギリシャ、イスラエル、トルコ、イタリアが続く。ただし、韓国のページで説明しているように、2位以下は韓国が変化した方向である。中国は韓国の後を追っていることになる。日本とは離反しており、その程度もかなり大きい。

参照資料:柳本正勝:世界と比較した日本の食料消費パターン, 食品総合研究所報告, Vol.68, 19 (2004).

           表 中国における各食品群の消費量(kg/人年)

食品群 穀類 いも類 砂糖作物 砂糖類 豆類 種実類 油糧種子
消費量 189.6 74.2 0.1 6.6 1.5 0.9 10.7
植物油脂 野菜 果実 嗜好飲料 香辛料 酒類 肉類
7.7 203.5 43.0 0.4 0.3 24.5 50.1
臓物類 動物油脂 牛乳乳製品 鶏卵 魚介類 海草類  
2.9 2.4 9.7 16.1 25.0 6.2