アメリカの食料消費パターン


現在の特徴
 現在のアメリカにおける各食品群の消費量を下記に示した。日本と比べると(グラフ)、アメリカの方が肉類、牛乳乳製品、果実、動物油脂の消費量が多いという従来からの特徴は維持されている。しかし、野菜の消費量は日本を上回っており、穀類 もほとんど差がない点で、これまでの常識とは違っている。日本の消費量が多いのは、魚介類が目立つ程度である。穀類は同程度なのに、いも類はアメリカの方が多いので、日本はデンプン系食品の消費が多いという従来の特徴が薄れていること になる。

 世界各国と比べると、肉類と砂糖類がトップであり、植物油脂の4位がこれに次ぐ。なお、総摂取量が多い国は欧米諸国に集中しているが、総摂取量を調べてみると、アメリカは6位である。

 アメリカの食料消費パターンを主成分分析して第2主成分スコアまでを図示すると(参照資料の第1図)、第一主成分(豊かさの因子)は上位に位置する。第二主成分(穀物離れの因子)はゼロ付近である。

 アメリカの食料消費パターンといちばん近いのはフランスである。以下、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアと旧英国植民地系の国々が続く。なお、1970年にはカナダ、ニュージーランド、オーストラリアの順であった。これを反映して、クラスター分析してデンドログラムを作成すると(参照資料の第3図)、欧米群の中に分類されるが、フランス、ニュージーランドなどを含む国々を含む小群に入る。

30年間の変化
 穀類、野菜、果実の消費量が顕著に増加した。肉類や牛乳乳製品も増加させたが、顕著なものではない。動物油脂を減らし植物油脂を増加させていることは、穀類、野菜の消費が増加していることも相まって、食事指導の効果を感じさせる。

 アメリカの食料消費パターンが変化したのは、ギリシャに近い方向で、以下イタリア、ポルトガルの順である。アメリカが接近した国は少数で、5位のイスラエル以下の国々とは離反する方向であった。因みに日本から も離反しており、その程度も小さくない。

参照資料:柳本正勝:世界と比較した日本の食料消費パターン, 食品総合研究所報告, Vol.68, 19 (2004).

              表 アメリカにおける各食品群の消費量(kg/人年)

食品群 穀類 いも類 砂糖作物 砂糖類 豆類 種実類 油糧種子
消費量 113.6 67.5 0.0 73.2 4.3 2.0 5.0
植物油脂 野菜 果実 嗜好飲料 香辛料 酒類 肉類
26.3 125.8 124.8 7.8 0.6 102.0 122.4
臓物類 動物油脂 牛乳乳製品 鶏卵 魚介類 海草類  
0.6 6.5 259.5 14.6 21.4 0.0