はじめに


 未来の食生活を予測しようと思う。ところが、日本ではこういうことを考えた人はあまりいないようである。少なくとも図書館に行って探しても見つからない。

 おそらくは、食の保守性からみてあまり変化がなさそうだし、夢を語り難い分野だからであろう。ところが振り返ってみると、我々の食生活は驚くほど変化してきた。肉や牛乳・乳製品の消費が大幅に増加した。店頭に多種多様な惣菜が並ぶようになった。自動炊飯器や電子レンジは当たり前になった。女性の立ち食いも普通の風景になった。漬け物の王様がキムチになった。栄養指導は過食を戒めることが中心になった。 等々、挙げれば切りがない。

 日本だけが劇的に変化したと思っている人が多いが、それは間違いである。1980年以降の食料消費パターンの変化に関しては、日本は変化が非常に小さかった国である。世界の国々の食生活も大きく変化している。未来の食生活を予測することは、充分価値がありそうである。少なくとも面白い。

 問題はどのくらい先を予測するかである。筆者は別ページのように、これまでに2回、食生活の長期予測に参加したことがある。どちらも10年後程度の予測であった。そうなると現在のベクトルの延長線上でしかない。その点で面白味に欠けていた。一方、100年 後とか1,000年後では雲を掴むような話となり、酒場談義になってしまう。これは今後の楽しみに取っておいて、ここでは未来を50年後として予測することにした。

 元より浅学非才のやることなので、重要な見落とし、考え違いがあるに違いない。諸賢におかれましては、お気づきの点がありましたら気軽にご指摘ください。