未来でも変わらないこと


 50年程度 を念頭に、未来に食生活がどう変わっているかを考えることにした。しかし、この種の将来予測を行う場合は、どう変化するかを考える前に、変化しないことを先に考える方が誤りが小さいと信ずる。未来予測では奇想天外な意見が案外受け入れられ易いので、これを抑制することに役立つ。たとえば過去には、将来は錠剤一つで一日の栄養が十分に摂れる時代が来るという説があった。ファブリケイティッドフード(個別成分を使って組み立てる食品)が普及すると提唱されたこともあった。

 まず最初に指摘したいことに、全く新しい食材は登場しないがある。現在世界の片隅にある料理や加工食品が広く普及する可能性は否定できないが、全く新しい食材が発見されることは考えられない。現在マイナーなあるいは食されなくなったような食材が主要食材になる可能性も非常に低い。

 次は食べる量は大きくは変わらないことである。錠剤一つはもちろん、今の2倍食べることもあり得ない。ただ、少しは増加すると予想する。

 家庭が食事の中心であることも変わらないと考える。もしこの予想が合わないとすれば、家族が社会の単位ではなくなっているはずである。これについては、外食ばかりになるという向きがあるかもしれない。影響が大きいので、更に吟味する必要はある。

 箸を使ってご飯を食べることに代表される、日本的な食事様式も案外維持されると予想する。海外経験は少ない方であるが、先進国はもちろん途上国においても食事様式の特徴は維持されている。