和食は新しい和食に変身する


 日本的な料理のことを日本料理と呼ぶ場合と、和食と呼ぶ場合がある。両者の区別は明確でないが、ここでは日本料理は高級料亭で出される日本的な料理であり、和食は家庭で作られる日本的な料理と捉える。そして、和食は洋食・中華を取り込んで融合し、新しい和食に変貌すると予測する。ただし、日本料理、西洋料理、中華料理の区別は残る。

 現在、洋食や中華は和食とは別の料理として捉えられている。そして、日本の家庭料理は世界的にみても外国からの料理を大幅に受け入れている。この現象を一般には、日本人が外国からの文化を積極的に取り入れる進取の気風を持つためと説明している。しかし、客観的にみて強がりであり、率直に和食には改善すべき要素を内包していたと認めた方が良い。

 ところで、洋食や中華は既に大幅に日本化されている。外国から来た料理も、特に家庭料理の場合は、日本の食材を使い、限られた調理器具で作り、馴染んだ調味料を使って、日本人の嗜好に合うように改良されるので、当たり前のことである。また、改良されない料理は定着しないと言って良い。今後とも改良は継続するので、洋食や中華は 更に日本的になり、欧米や中国のそれと乖離していく。したがって、洋食とか中華といっても日本固有の料理でないというだけで、区別することもあまり意味がなくなる。将来はこれらを包含した料理が和食になる。

 そもそも、和食もそのルーツを辿ると、うどんやお茶、醤油のように中国に行き着く料理・食材が多い。また、テンプラやカステラのように戦国時代にポルトガルなどにルーツを求めることのできる料理もある。これらの料理も受け入れたものがそのまま残っているわけではない。となると、洋食や中華 といっても、明治時代以降に取り入れたあるいは普及した料理を指しているにすぎないのである。

 文明開化を迎えた時、日本人の食事には肉料理が決定的に足りなかった。にも係わらず、日本料理(あるいは和食)は、肉料理を取り入れることに消極的であった。その間隙を洋食や中華が埋めたと考えることができる。肉食は欧米ほどにならないと推定できるが、大幅に減少するとは考えられない。

 なお、ここでは触れなかったが、韓国料理および東南アジアの料理の一部も加わる可能性が高い。