日本人の食事摂取基準


 食事から摂取するべきエネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示したものである。従来は「日本人の栄養所要量」が用いられてきたが、これを発展的に解消し名称も新たに策定された。その基本姿勢は科学的根拠に基づいた策定であり、現在は2005年版である。

 掲載されている栄養素(エネルギーを含む)は延べ35成分ある。従来に比べて脂肪が整理され詳しくなった。n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸という一般には馴染みのない専門用語が使われているが、高度不飽和脂肪酸の重要性を的確に表すための措置である。脂肪以外の成分は変わっていない。

 指標の方はかなり変わっている。つまり、従来の必要量、所要量、上限量の3つから、推定必要量、推奨量、目安量、目標量、上限量の5つになった。指標を増やすことにより、正確に表現できるようになった反面、複雑になり理解が難しくなった。健康維持のためとはいえ、一般市民も理解できるような説明が必要と思われる。また、与えられている表は各栄養素毎に、年代と性別の数字が与えられて膨大な構成となっている。利用には不便なので、自分や家族に該当する部分だけを取り出した 下に掲げたような表を作っておきたい。ここでは1829歳男子を例にしてある。

 下表を作成しても、食事の度に数字を思い出すのは困難である。そこで、食事バランスガイドが準備されている。日常の食事では食事バランスガイドを参考にし、食事摂取基準は食事内容を点検する時とか、栄養士から食事指導を受けた時にその意味を理解するのに利用するのが妥当であろう。

 エネルギーに関しては上限量が与えられていないのは注目したい。一般の食事指導では、食べ過ぎの問題が強調されてきたからである。摂取量を減らすのではなく、摂取量に見合うだけ運動することが期待されているようにみえる。

記者発表資料

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     日本人の食事摂取基準(男子:18〜29歳)  
             
  単位(1日当たり) 推定平均必要量 推奨量 目安量 目標量 上限量
エネルギー kcal 2650*1        
たんぱく質 g 50 60 - 20%未満*2 -
脂質 総脂質 %エネルギー - - - 20以上30未満 -
飽和脂肪酸 %エネルギー - - - 4.5以上7.0未満 -
n-6系脂肪酸 g - - 12 10%未満*2 -
n-3系脂肪酸 g - -   2.6以上 -
コレステロール mg - - - 750未満 -
炭水化物 %エネルギー - - - 50以上70未満 -
食物繊維 g - - 27 20 -
水溶性 ビタミンB1 mg 1.2 1.4 - - -
ビタミン ビタミンB2 mg 1.3 1.6 - - -
  ナイアシン mgNE  13 15 - - 300*3
  ビタミンB6 mg 1.1 1.4 - - 60*4
  葉酸 μg 200 240 - - 1,000*5
  ビタミンB12 μg 2.0 2.4 - - -
  ビオチン μg - - 45 - -
  パントテン酸 mg - - 6 - -
  ビタミンC mg 85 100 - - -
脂溶性 ビタミンA μgRE 550 750 - - 3,000
ビタミン ビタミンE mg - - 9 - 800
  ビタミンD μg - - 5 - 50
  ビタミンK μg - - 75 - -
ミネラル マグネシウム mg 290 340 - - 350*6
カルシウム mg - - 900 650 2,300
リン mg - - 1,050 - 3,500
微量元素 クロム μg 35 40 - - -
モリブデン μg 20 25 - - 300
マンガン mg - - 4.0 - 11
mg 6.5 7.5 - - 50
mg 0.6 0.8 - - 10
亜鉛 mg 8 9 - - 30
セレン μg 25 30 - - 450
ヨウ素 μg 95 150 - - 3,000
電解質 ナトリウム mg 600 - - 10未満*7 -
カリウム mg - - 2,000 2,800*8 -
*1:基準体位で身体活動レベルが普通の人の量          
*2:単位は%エネルギー            
*3:ニコチンアミドの量            
*4:ピリドキシンとしての量            
*5:プテロイルモノグルタミン酸としての量(通常の食品以外からの摂取量)        
*6:通常の食品以外からの摂取量            
*7:食塩相当量(g)            
*8:高血圧の予防を目的とした摂取量