野菜の消費量と平均寿命 世界 155ヶ国における各食品群の消費量と平均寿命(正確には健康寿命 :Healthy Life Expectancy)の関係を調べたことがある。この目的に対し、一般的で分かり易い方法は、相関を調べることである。計算してみると、調べた 20食品群のうち13食品群の相関係数が正に有意となった。最も高いのは鶏卵の0.76で、以下肉類、牛乳乳製品が続く。野菜は0.57で7番目である。ところが、上位の食品群から推察されるように、豊かな国で消費量の多い食品群が並んでいる。豊かな国は同時に平均寿命が長い国でもある。つまり、豊かさの影響を消去する必要がある。また、各食品毎の効果が互いに独立しているかを考慮する必要もありそうである。そこで、豊かさの指標として国民所得を採用し、各食品群消費量と国民所得の 2説明変数による平均寿命に対する重回帰分析、および20食品群消費量と国民所得の21説明変数による平均寿命に対する重回帰分析を行った。野菜はどの解析においても、効果が正に有意で、しかも鶏卵に次いで顕著であった。国民所得の影響を考慮しても、野菜の消費量が10 kg/人年多い国では平均寿命が0.42歳長いという結果となった。ここで得られた結果は野菜消費量が多い国では平均寿命が長いという事実である。野菜をたくさん食べれば寿命が長くなると演繹するのは、必ずしも正しくない。しかし、野菜の摂取が健康に良いという状況証拠にはなっている。 野菜が体に良いことは古くから主張されている。ところが、外国では野菜の消費量を増加させている国が多いのに対し、日本では停滞させているために、世界でトップクラスの野菜消費国であった日本も、2000年現在では 31位まで後退している。参照資料: 2.柳本正勝:155ケ国データによる食品類一人当たりの供給量と平均寿命の関係, 研究成果展示会2003, (独)食品総合研究所, 東京, 2003.10.30. |