日本の食料消費パターンの変化


 長い間、日本の食生活は欧米化してきた。しかし、1980年に日本型食生活が提唱され、欧米の食生活が模範と考えられなくなると、変化の方向は曖昧になったようにみえる。そのためか、関心も薄れてしまった。

 そこで、日本の食料消費パターンが現在も欧米化を進行させているのか、もしそうなければどの方向に進んでいるのかを解析した。

 結果をみると、1960年代から1980年代は欧米化の方向であったが、1990年代になると中南米諸国に近い方向に変わっていた。ただし、欧米諸国から離反しているわけではない。方向の表現が曖昧なのは、中南米諸国の間でもバラツキが大きいからである。また、接近の程度も小さい。個々にみると、いちばん接近した国はモンゴルで、2番3番はサウジアラビアとヨルダンであった。

 1980年代までの欧米化も、1960年代とそれ以降ではやや方向が変わり、1960年代は地中海東岸諸国の方向であったが、それ以降は主要欧米諸国の方向であった。

 なお、参考までに付け加えておくと、日本だけが食料消費パターンを劇的に変化させたと考える人が多いが、事実ではない。先進国を含め世界の国々は食料消費パターンを大きく変化させている。1980年以降にかぎると、日本は食料消費パターンの変化が 非常に小さかった国である。

参照資料:柳本正勝:日本の食料消費パターンが変化した方向, 日本食品科学工学会誌, Vol.51, No.10, 524530 (2004).