特定保健用食品は、栄養改善法施行規則が改正されて発足した特定保健用食品制度で規定された用語である。特定保健用食品制度は、健康食品が法の規制に馴染むように考案された制度であり、1991年に策定された。厚生労働省はこの制度を発足させてからは、健康食品を特定保健用食品といわゆる健康食品に分けるようになっている。なお、2009年からの所管は消費者庁である。
特定保健用食品制度では、特定保健用食品を「国の許可等を受けて、食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品」と規定している。
厚生労働省によれば、特定保健用食品は栄養機能食品とともに保健機能食品を構成する。保健機能食品は一般食品とともに食品を構成し、食品は医薬品と区分される。参考までに、上述のいわゆる健康食品は一般食品に含めている。特定保健用食品には、条件付き特定保健用食品、特定保健用食品(規格基準型)、特定保健用食品(疾病リスク低減表示)の3つが含まれている。
一般にはトクホと呼ばれており、逆にいうとそれだけ普及したことになる。現在(2015年6月)許可されている特定保健用食品は1,153品目に達しており、日本健康・栄養食品協会によれば、2014年で約6,300億円の売り上げがある。ピークだった2007年が約6,800億円だったので、その後は漸減傾向といえるが大幅なものではない。
日本では、医食同源あるいは薬食同源の考え方が根強い。また、中国の本草綱目(李時珍)や日本の大和本草(貝原益軒)など、古くから博物学的なアプローチもなされてきた。健康食品
に対する安全感は根深いものがある。体に良いものは安全だろうというのは自然な発想である。
特定保健用食品は日本独自の制度ではあるが、日本特有のものではない。アメリカやEUにおいても、サプリメントや健康強調表示の制度がある。
(2015年6月作成) |