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食品の安全施策において、安全性の評価は科学的根拠に基づくことが基本となる。というより、科学的根拠以外に信頼できる代替方策がない。たとえば、メディアの論調で決めると その方が弊害が大きいことはいうまでもない。
現在の科学といえども完全ではない。たとえば30年後に振り返ると、現在のリスク評価結果にも数多くの問題点が指摘されると確信する。しかしながら、現在の科学が信頼に足るレベルにあることも確かである。
食品の安全施策において、国際的な協調体制が確立していることも見逃せない。かつてみられたように、海外で禁止された物質が日本では長く認可されたままになることは、現在では考え難い。Codexで策定される指針は、完全とはいえなくてもベターなものである。
欧米諸国は食料供給が十分な時代を長く享受しており、しかも彼らは食品の安全性確保に対し十分な関心がある。欧米諸国では医療機関からの連絡体制も確立している。彼らの食品の安全性基準及び規制体系の質は充分高い。欧米
諸国の規制動向をきちんとフォローすれば、大きな落ち度はない。
幸い、国民の食品安全性意識は日本の方が高い。2009年、2010年の2年間、食中毒による死者はゼロを達成した。これは日本人の食品に対する衛生観念が高いことを裏付けている。同時に、日本の市場に出回っている食品の安全性がそれなりに高いことも示している。 (2012年8月作成) |