ハザード分析表は、食中毒の発生状況が当該食品のリスクを示す一つの指標なると考え、表の上に「食中毒の発生状況」の項目を設けている。
食中毒の発生状況の調査に使用した資料は、食中毒統計である。この目的では、食中毒統計以外に選択の余地はない。食中毒統計は毎年公表されているので、作成した年の直近3年間を対象にした。
食中毒統計のデータはエクセル形式の表で公表されており、「原因食品」の列に対し当該食品名で検索する。ヒットした数の3年分の合計を示している。ここに検索用語の食品名は、たとえばロースハムに対してもハムを使用している。なお、検索に際して用いた食品名は項目名のところに付記してある。
ここで注意されたいことは、あくまでもヒットした数であって、必ずしも当該食品が食中毒の原因物質であることを意味するものではない。たとえばトマトの場合2件となっているが、どちらも「***のトマト煮」が原因食品となっており、常識的には
原因は「***」の方である。ヒットした事件の内容まで吟味することが望ましいが、現実の問題として不可能である。いたずらに数を多く見せてリスクを強調するつもりはないが、この措置はやむを得ない。